Propagation from Spore
胞子培養
シダに戻る | シダ栽培種 | オオタニワタリ類 | シダ自生種 | トップに戻る |
シノブの仲間などは株分けでいくらでも増やすことができます。しかしオオタニワタリなどでは何時まで経っても殖えてくれません。
このようなタイプのシダでは胞子培養で殖やします。専門書など読みますと難しいことが書いてありますが、手抜き栽培でも意外と発芽率がよく簡単に多量の苗を得ることができますよ。
ここでは私が実践した手抜き簡便法を説明いたします。トライしてみましょう。
1 培養土 | |||
基本的に用土は何でもいいと思いますが条件が2つあります。 1・清潔でカビや藍藻が生えないこと。またミズゴケや他のコケが生えないこと。 2・胞子が発芽成長しやすい物理的構造をしていること。 難しそうですが意外と簡単に用意できます。苗床を上と下に分けて考えます。 下は赤玉土や砂など清潔であれば何でもよいです。上は胞子を播く部分で胞子が発芽し成育しやすくなくてはいけません。 セントポーリアの土やそれらにミズゴケやピートモスをミックスしたものを用います。多孔質の火山性の礫を加えても成果はよかったです。 このようにセットしましたら一度熱湯をかけます。これは殺菌の意味ではありません。ミズゴケや他のコケ類の芽を殺すためです。これらが生きていますと成長して前葉体を覆ってしまうことがあるからです。 完全殺菌など不可能です。また少々いたってうまくつきあえば成長にどうってことはありません。 |
|||
2 胞子の採取、播き方 | |||
葉の裏を触って、粉っぽいざらつきがあればまき時(採取時)です。自信の無いときは葉をちぎり封筒に入れ1週間ほど乾燥させます。封筒の中に粉っぽいものが出ておれば胞子です。 葉の胞子を直接清潔な刷毛やブラシで培地の上に刷いてもよいですし、封筒で採取した胞子を軽く播いてもよいです。 タイプの異なるものから採取した胞子を混植すると新たなタイプがうまれるかもしれません。楽しみですね。 |
|||
3 鉢の管理 | |||
胞子を播いた鉢は噴霧器で軽く噴霧し胞子を落ち着けます。 この鉢をビニール袋に入れしばります。あるいは密閉した水槽などの容器に入れます。 この段階で水を強く当てると胞子がどこかへ流れていき得られる前葉体の数が少なくなります。 ![]() このとき播いた種類の名前のラベルを立てるかマジックで鉢に書きましょう。 あとで役に立ちます。 ![]() ![]() 鉢は直射光の当たらない、明るい涼しい場所に置いておきます。 2週間ほどで前葉体の緑が確認できます。 胞子が発芽し前葉体がある程度になったらたまにビニールをはずし噴霧器で水をかけたり(鉢底から抜けるほど)薄い液肥を噴霧したりしますと成長が早いです。その後再度密閉しておきます。 定期的に水を霧吹きで噴霧できる場合はビニールをはずしてもよいです。 カビが生えたら 途中カビが生えてきましたらビニールをはずし腰水をし風に当てるように栽培します。カビは消えていきます。 発芽開始 ![]() ![]() |
|||
4 その他 | |||
![]() ![]() 本葉が発芽しある程度強くなってきましたらビニールからはずし徐々に外の環境に慣らしていきます。 |
変化オオタニワタリではどこか親と異なる変化にとんだ子供たちが生まれてきます。普通葉に戻ることはあまりないようです。
単独鉢に移して1年後(胞子から2年後)でこのサイズになります。
もう充分に観賞できる状態になりました。
不定芽
今までオオタニワタリの不定芽など聞いたことがありません。おそらくこれがはじめての報告ではないでしょうか。(下記の写真参照)
正常な個体からは観察したことがありません。変化オオタニワタリだけから出現しています。獅子やツノの出る現象とリンクしているのかもしれません。写真と同じj株からは2度観察しました。
葉柄途中から出た不定芽
シダに戻る | シダ栽培種 | オオタニワタリ類 | シダ自生種 | トップに戻る |