読後、すがすがしい気持ちになる。
主人公の真人が体験する、ミズチという行。
自然と一体化し、山川草木、及びそこに住む生物たちの息吹を感じ取れるまでに成長する様に共感し、自分もそこにいるような気持ちになる。
見たことのない四万十川周辺の自然が目に浮かぶよう。

セゴシという一定不住の民の末裔たち。それと関わる大和神道。
ふた咲きの花、という救世主?伝説。
伝奇ロマンの趣もあって、わくわくする。
運命のままに、すべての流れがひとつに集結していくという物語は、非常に好き。

文章のひとつひとつにも、共鳴を抱く。
お盆の風習の中で、「ただ、準備をしていく中で、はるかな遠くから時間がつながってくるような感覚があった。」という表現があるが、これなど非常に印象的。
文章そのものにもよどみがなく、自然に流れ、登場人物の感情のひだまできちんと伝わってくる。

ティーンエージャー向けだろうけど、おとなが読んでも十分堪能できる。
いい書に巡り会えたと思う。

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