「羊たちの沈黙」の続編です。
あの作品、いわゆるサイコスリラーというジャンルが嫌いな人には読めない話です。
「羊たちの沈黙」ではプロファイリングという手法が注目されたのですが、「ハンニバル」は、レクター博士を中心にすえ、彼に復讐しようとする大富豪との暗闘、そして、スターリング捜査官との形容しがたい交流がテーマです。
「羊たちの沈黙」では、レクター博士は単なる「怪物」ですが、この作品では彼が「怪物」になったきっかけ、彼の弱みが暴露されます。そして、彼以上に醜悪な復讐鬼が描かれるため、おぞましい殺人者であるレクター博士に対して共感を覚えていきます。驚異的な記憶力、知力、そして芸術に対する理解といったレクター博士の特質には誰でもあこがれをいだくはずです。
それがために、ラストもある程度許容できるのですが、やや欲求不満は残ります。
スティーブン・キングをして「前作を凌ぎ、「エクソシスト」と並んで20世紀に屹立する傑作」と言わしめたとのことですが、謎解きが好きか、単なるこわいもの見たさかで、評価は分かれると思います。

映画化されるということですが、映像にすると、残虐部分だけが強調されそうな不安があります。
レクター博士は前作同様、アンソニー・ホプキンズということで期待できるのですが、スターリング捜査官をジョディー・フォスターが辞退したのは残念です。この作品を読み進む際、アンソニー・ホプキンズとジョディー・フォスターを脳裏に浮かべてましたから。

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