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うまく受信することができなかった方へ


 おめでとうございます。
 うまく受信できなかったということは、うまく受信するための
 工夫をするためのチャンスが与えられたと解釈しましょう。
 簡単に受信できるよりこちらのほうが楽しみが多いかもしれま
 せんよ。

  ちなみに私は小学校5年生のときにはじめてゲルマラジオを作
 りましたがそのときは動作しませんでした。こんなシンプルな
 構造なのに鳴らないのはかなりショックだった記憶があります。

 さて、なぜうまく受信できなかったのかを検討してみましょう。






パーツ単位のテスト


 ゲルマラジオを構成する部品のうち特に重要な2点をテストしましょ 
う。まずはクリスタルイヤホンから。


クリスタルイヤホンの古典的テスト方法として10円玉にリード線を
くっつけてみるという手法があります。正常ならガリガリという音が
イヤホンから聞こえます。






ダイオードのテスト


ダイオードのテストにはテスターが必要です。
テスターのレンジを抵抗測定モードに切り替え、ダイオードの
両端にテスターの棒をあてます。
アナログテスターなら黒のテスター棒がプラス極になっていま
すので右図の例ですと左に黒のテスター棒、右に赤のテスター
棒のときに電流が流れます。(すなわち針が振れます)

今度はその逆にテスター棒をあてます。(左に赤 右に黒)
今度は指針はほとんど動かないはずです。
これでダイオードが正常に動作しているのが確認できました。




一番のポイントであるアンテナのテスト方法


 ゲルマラジオをうまく鳴らすための最大のポイントはアンテナです
 簡単に製作できるアンテナチェッカーをご紹介しましょう。

 右図は私が考案したもっともシンプルなアンテナチェッカーです。
 (JR6VKY型アンテナチェッカーと呼んでいいですか? ^^;)

 左端が測定ポイントです、アンテナを左端につなぐとラジオが聞こ
 えます。

 ポイントはRFCです。インダクターを入れることによりアースを
 つながなくてもちゃんと鳴るようになります。もちろん同調回路
 ではないのであらゆる放送局が一緒に聞こえます。

 回路図の通りに配線します。



実体配線図


 右図のように配線すれば完成です。
 ここで訂正ですが3.3mHのRFCは 332Jと表記されるはずです
 イラストの331Jは間違いです。

 アンテナの測定ポイントは右図の一番上になります。
















実際に作ってみる


 右図が実際の作例です。
 ハンダ付けなどしなくてもちゃんと動作します。これなら
 ものぐさな人(失礼)でも1分で作れることでしょう。

 せっかくですから実際に作って家中のアンテナになりそ
 うなところにこのチェッカーをあててみましょう。きっと
 色々な発見があると思いますよ。

 ちなみに我が家の実験ではベランダに張った4mアンテナ以外に
 コンセントにつないでいない電気スタンドや窓際に置いたステ
 ンレスの譜面台などがアンテナになりました。(かすかに聞こえる)

 「家の中のアンテナ」探しはおもしろいですよ。子供と二人で
 夢中になりました。
 

アンテナチェッカー タイプB


 RFCを使う回路をタイプAと呼ぶことにします。

 3.3mHのRFCの持ち合わせが無い方もいらっしゃるでしょうから
 別な回路も紹介しましょう。
 右図はゲルマニウムダイオードを2本使った例です。
 これもアース無しで鳴ってくれます。

 P.S.
 学研の復刻マイキットお持ちの方へ。マイキット付属の
 4mHのRFCでもタイプAは動作します。実験してみてください。




もっともシンプルなゲルマラジオは?


 小林健二さんの著書「ぼくらの鉱石ラジオ」によると右図の回路が
 紹介されていました。アースがきちんと取れればこれが最もシンプル
 なラジオということになります。
 我が家の実験では良好なアースを確保できず、鳴らすことはできませ
 んでした。逆に言えばこの回路で聞こえる方は良好なアースが確保
 できていると言えるのではないでしょうか。












屋外にアンテナが張れない方向け情報


 屋外にアンテナが張れない場合は、電灯線アンテナや電話線アンテナ
 を試してみましょう。
 作り方ですがACコードもしくは電話線にエナメル線か単芯の被覆線
 を巻きつけます。巻きつける長さは50cmくらい。きつく巻きつけた
 方がラジオが良く鳴ります。
 










電話線アンテナの実力


 電話線アンテナを試してみたところ良好に動作しました。
 クリスタルイヤホンの端子にテスターをつないでみると針が振れる
 くらいの出力があります。
 
 テスターで出力電圧を測るのは電波が目に見えるようで面白いです。
 ぜひお試しください。











さて、あなたのゲルマラジオは鳴るようになりましたか?
放送局(というより送信所)から遠い人は残念ながら鳴らない可能性
があります。そのときは送信所の近くまでドライブに出かけましょう。

5〜10mのアンテナ用電線も忘れずに、高台の空き地や公園を利用して
受信できるか試してみましょう。

Good luck!


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