あけぼの印刷・あけぼの出版

県民の福祉とくらし、沖縄の文化を守り、平和と社会進歩に貢献する


























     プレビューと解説(9)



 (41)基地がある島の光景 金網の外も演習場

 演習場が密集している金武町や宜野座村に行くと、国道や県道、はては農道などの県民の生活道路までが、米軍の演習場です。沖縄自動車道でも、装甲車や戦車の最大速度70キロ前後で、一列縦隊で走っているのに、よく出会います。小学生が言っていました「基地に金網を張っても意味がない、アメリカーは自由に出入りし、私たち土地の主が入れない。どこか間違っている」と。


 (42)演習が自然を破壊する

 金武町のある集落に「山で生活を支えようと考えるなら、馬や牛を使わずに、人間だけで山に入れ」と言う言葉があります。畜力や機械力を使うと、山林は一年ともたずに禿てしまう、人間の肩で産物を運ぶ限り、孫子の代まで山は生き続け生活ができると、先人は喝破したのです。しかし、その山に弾を撃ち込んで一本の木も残さず焼き払われるとは、先人の考えもつななかったことが、目の前で繰り広げられているのです。宜野座の古知屋潟原では、保水力の無くした山から、雨水とともに赤土が流れだし、白い砂浜が赤い浜に変わり、その上を水陸両用の戦車が走行訓練をやり、潮干帯の生態系を破壊しているのです。


 (43)米軍部隊による事件・事故

 ここにあげたのは、復帰以後の事件・事故です。最初の航空機事件は、那覇市崇元寺で、ジェット機の補助燃料タンクが落下し、新築の家が焼け、子どもを含む6名が死傷しました。1950年代初頭の頃だった。それ以来、宮森小学校へのジェット機墜落など数多くの事件・事故が発生しています。沖縄ではいつ、自分の上に降りかかるか予測もできない米軍の事件・事故です。


 (44)「よき隣人」は沖縄で何をしてきたか

 在沖米軍は、口を開けば「われわれは、良き隣人として……といいます。「良き隣人」は国際法を無視して、個人の土地を奪い、礼拝所であるお墓や拝所をつぶして基地をつくりました。沖縄では「私たちが法律だと、いわんばかりに横断歩道上で子どもをひき殺しても無罪、女性に対する性犯罪も、微罪で兵役免除で帰国。県民は、幼女に対する性犯罪で、県民大会まで開かざるを得ない状況にまでおかれています。これが「よき隣人」の行為です。



 (45)「思いやり」予算で大盤振る舞い

 条約の取決めもないのに米軍に予算を支出している国は日本だけ。それも国の借金(国債)が国民一人当たり約600万円といわれるなかで、米軍家族の自動車税は安い、高速道路はただ、住宅まで国民の負担で建ててやる。司令官クラスの部屋は、なんと70坪を越える広々としたものです。演習のための費用も、基地で働く人の人件費も全部日本が、つまり私たちの税金で払う、日本は、世界に例を見ない米軍様様の国になりさがっているのが現状です。