あけぼの印刷・あけぼの出版

県民の福祉とくらし、沖縄の文化を守り、平和と社会進歩に貢献する



























     プレビューと解説(8)



 (36)強化される戦闘支援態勢

 いま、多くの自動車に取り付けられているのが、カーナビと呼ばれる自動車航法装置で、これは、米軍々用衛星からの電波を受けて道路図の上に、運転している自動車の位置を付近の道路図の中に表示するという、軍事衛星の恐るべき性能の一端をのぞかせるものです。沖縄に配備されている米軍の中枢は、海兵隊で、彼らの支援態勢とは、目に見えない電波によって軍事目標を宇宙から衛星によって指示され、攻撃する仕組みになっています。未来戦だと思われていた戦争が、現実のものとして、私たちの前にあります。しかし、それを的確に知っている人は、まだ多いとはいえません。


 (37)銃声と炸裂音ひびくキャンプ・ハンセン

 この基地も、沖縄戦の最中に構築された米軍金武飛行場の跡で、これまた朝鮮戦争のとき、地上からの射撃、金武湾からの艦砲射撃、実戦配備されたジェット機の空爆の射爆場として使用されはじめました。現在は、第3海兵遠征軍の常駐基地として、実弾射撃訓練場や強襲上陸訓練場を合わせ持つ総合訓練場として、日々に機能が強化されています。後ろの山は、県道104号線越えの155o榴弾砲の砲撃演習で裸にされた恩納連山。いまでも迫撃砲や機関銃などの演習は続いています。


 (38)出撃・補給の海の玄関ホワイト・ビーチ

 沖縄戦の時、破損した海上トラック(ダック)や小型上陸用舟艇で、桟橋への進入道路を造り二本の桟橋を構築したのが始まりで、先端部の水深は約30m、航空母艦や戦艦などの喫水の深い艦船も自由に出入りできました。いまここは、海兵隊の侵攻出撃・補給基地となり、写真に見るような強襲揚陸艦や原子力潜水艦の主要な寄港地として使用されています。


 (39)作戦の柱は強襲上陸

 強襲上陸、なにか言葉だけ聞くと、敵が待ち構えている場所に、砲弾の雨を降らし、強行上陸する語感ですが、アメリカがこれまでやってきた行動を見ると、どうも違うようです。例えば、ベトナムのトンキン湾では、ベトナムが持ってもいない潜水艦でアメリカの艦艇が攻撃されたから、沖縄からB52爆撃機を発進させて北ベトナムを爆撃する。他国の領土領空に勝手に飛行禁止区域と線を引き、そこを飛ぶ飛行機は撃墜する。と、まるで1930年代の日本のやり方と同じ事をやっています。強襲上陸も、相手が誰であろうと、アメリカの言う事を聞かない国には、「ならずもの国家」のレッテルを張り、宣戦布告なしで攻撃するぞ。と脅しているようです。






 (40)侵攻作戦に不可欠・パラシュート降下訓練

 パラシュート降下訓練が、どんなに危険なものか、私たちは、読谷補助飛行場での訓練で、幼い女子が圧殺されたことを忘れることはできません。軍事的には、他国の奥深く夜間に降下し、攪乱作戦や政府転覆作戦をやる奇襲攻撃です。その訓練が、沖縄では使用協定も無視して、日常的に行われているのです。