あけぼの印刷・あけぼの出版

県民の福祉とくらし、沖縄の文化を守り、平和と社会進歩に貢献する





















     プレビューと解説(10)



 (46)米軍の補完部隊・自衛隊

 1950年代、朝鮮戦争が始まった頃、琉球軍政府の副長官クレイグ砲兵大佐が、防空指令をだしました。「米軍は、琉球の防空に責任を持っているが、すべての敵機を防ぐには力の限りがある。民も軍の発令する警報に従うとともに、防空用の基地を新たに造らなければならなくなった」と、それで接収・構築されたのが、現在航空自衛隊や陸上自衛隊のレーダー基地やナイキ基地などです。政府は、米軍から買い取った一連の防空基地に自衛隊を配備しました。これは、初めから米軍基地を守ために構築された基地で、国民や県民を守ることとは全然関係のない防空基地です。自衛隊は、米軍のガードマン的軍隊で、米軍とともに、戦争に参加する軍隊になってきています。


 (47)軍民共用で危険な那覇空港

 稲嶺知事が、普天間基地移設先と取り沙汰されているキャンプ・シュワーブ地先へ、軍民共用空港を!と声高に叫んでいます。軍民共用空港とは、御覧のように航空自衛隊が配備された那覇空港が、良い例を示しています。こんな軍民共用空港を新たに北部につくる必要があるでしょうか。


 (48)基地機能を強化するSACO

 県民の要求に対し、政府は、口を開けば「SACO合意、SACO合意」といいます。しかし、「SACO合意」は、米軍基地を移転・縮小するかのようにみせかけて、すでに、老朽化している米軍基地を、日本政府の予算で最新鋭の基地につくり替え、米軍に提供することです。これは、新たな基地の固定化にほかなりません。


 (49)海兵隊基地を拒否した名護市民

 市民投票は、公職選挙法とは違い、政府やゼネコン総がかりの戸別訪問、買収、利益誘導なんでもありの状況で実施されました。それでも名護市民は負けませんでした。子どもたちのため、未来から預かっている自然を守るために、名護市民は「命どぅ宝」を「銭どぅ宝」に変えることはしませんでした。



 (50)「命どぅ宝」は人類共通の理念

 私たちは、沖縄戦だけをみて「被害者」の顔をしていませんでしょうか。私たちの父や兄が中国で東南アジアで、天皇の軍隊の一員として、また、基地の地主として、侵略戦争への基地を提供し、アジア諸国の民族独立の闘いに加害者の立場に(自分の意思とは関係なく)立たされたことの一面も見逃すことはできないのではないでしょうか。ほんとうに平和を望むのであれば、基地拡張強化に反対することが、これ以上の被害者を出さず、加害者にもならないことへの力強い意思表示ではないでしょうか。